さんぽのススメ in 鯨ヶ丘商店街
お子さんと一緒の散歩。買い物のついでに歩いてみたり、少し遠くの公園まで足を伸ばしてみたりと、生活に取り入れているご家庭も多いですよね。気軽に楽しめる散歩には、様々なメリットがあります。
コミュニケーションが取れる
家事に気を取られることなく、お子さんとコミュニケーションが取れます。また、散歩に出かけたからこそ話せること、聞けることも出てくるかもしれません。
気分転換になる
子どもは、幼稚園・保育園、学校などの集団生活では緊張や我慢などストレスを感じることがあります。お気に入りの場所を歩くと、心が解放されます。
季節を感じる
動植物を観察しながら歩くことで、お子さんと一緒に四季の移り変わりを知ることができます。
新緑の鮮やかな緑、蝉の鳴き声、紅葉の鮮やかな色、吐く息の白さなど、四季の情景がお子さんの大切な思い出になります。また、散歩を兼ねてお祭りなど季節の行事に足を運ぶのもおススメです。
運動機能が向上する
エクササイズとしてのウォーキングのように、決めた距離を懸命に歩かなくても、子どもは散歩をしながら、飛んだり跳ねたり体を動かすことで運動機能が向上します。
よく眠れる
十分な運動をしていない日の子どもは寝付きが良くありません。散歩は子どものエネルギー発散 を促すので、ぐっすり眠ることができます。
交通ルールを学ぶ
車が行き交う道路、信号、横断歩道がある道を散歩することで、お子さんが交通ルールを学ぶきっかけになります。子どもの成長に応じた経験をさせることができるのも散歩の良い点です。
常陸太田市内でも古い街並みが残る鯨ヶ丘商店街は、散歩に適したエリアです。鯨ヶ丘独特の急な坂道と景観、そして、散歩(歩き)だから入れる道などで鯨ヶ丘を再発見してください。
■1周1.3km 鯨ヶ丘商店街を散歩しましょう
JR水郡線、常陸太田駅方面から、国道293号線の木崎坂を登ると、道が二股に分かれ、そこに「鯨ヶ丘ふれあい広場」があります。
広場の中心付近に、小さい山 があります。これは鯨ヶ丘の丘陵を表しています。また、トイレ、水道、ベンチもあります。今回はここを起点に1周約1.3kmの商店街を歩いてみましょう。
分岐する東西の商店街の通りは、それぞれ一方通行です。右側、東町の通りを進むことで、歩行者に対して、車は前から来るだけになります。後方に注意を払う必要が少なく、より安全に散歩を楽しめますので、右側の通りを進みます。
分岐する商店街の通り
① 法然寺
しばらく歩くと「法然寺」の特徴的な門構えが右側に見えてきます。
東町の通りの道幅は約6~7mあります。また、通りの両脇には石畳が敷いてあり、歩道の目安になっています。
板谷坂
右側の急勾配な坂が「板谷坂」です。鯨ヶ丘は標高40メートル前後の丘陵地。そのため、坂が多くあります。特に南の「木崎坂」「下井戸坂」、東の「板谷坂」「塙坂」「東坂」、西の「杉本坂」「十王坂」が太田七坂と呼ばれています。
太田七坂の中で唯一車の通行ができない坂で 、中央の手すりと階段が特徴です。
板谷坂にピッタリの遊び、「じゃんけんグリコ」をご存知ですか。きっと、30歳以上の方は、遊んだ経験があるはずです。じゃんけんで勝った人が出した手の音の数だけ歩みを進めるゲームです。グーで勝つと「グリコ」で3歩、チョキで勝つと「チヨコレイト」で6歩、パーで勝つと「パイナツプル」で6歩進むことができます。「板谷坂」の階段でお子さんと「じゃんけんグリコ」勝負をしてみてください。昔の街並みには、昔の遊びがきっとよく馴染みます。
② 板谷稲荷神社
板谷坂へ 向かって左横に「板谷稲荷神社参道」と書かれた石柱があります。民家と民家の間を通る参道の幅は1m少々、入るのをためらうかもしれません。参道を通り抜けると左側に「板谷稲荷神社」そして、右側に常陸太田市の街並みが眼下に広がります。
塙坂
商店街から見える「塙坂」の斜面は、なだらかです。下りて行くと徐々に斜面は急になります。その後、蛇行する坂は見通しがあまりよくないので、散歩の際には注意が必要です。
蛇行する塙坂
③ 東の辻
「東の辻」には、ひさしがあり、椅子とテーブルもあるので、お弁当を広げて食べられます。
また、商店街で買ったおやつを食べながら休憩もできます。
東の辻
④ 内堀町交差点、古刀比羅神社
通りは内堀町に突き当たります。信号を渡り左折して常陸太田市郵便局前へ向かいます。
なお、商店街の東西を結ぶ内堀町交差点は、100m足らずの距離ですが、歩道がほとんどありません。お子さんと一緒に交通ルールを守り、右側通行を心がけてください。また、この散歩コースは、信号と横断歩道の渡り方をお子さんが覚える機会にもなります。ぜひ、正しい交通ルールを教えましょう。
写真左上)(a)東町の通りの歩行者信号
写真右上)(b)内堀町の交差点と古刀比羅神社
写真左下)(c)常陸太田郵便局
写真右下)(d)西町の通り
西町の通り
十王坂
西町通り右側に「十王坂」別名「だいこん坂」があり、彼方に太田二高と久昌寺が見えます。
十王坂
⑤ 梅津会館
鯨ヶ丘商店街で特に目をひく建物「梅津会館」は1936年(昭和11年)に当時の太田町役場として建てられ、1978年(昭和53年)まで常陸太田市役所として利用されました。現在は建設に貢献した梅津福治郎氏の業績を称え、常陸太田市郷土資料館梅津会館として活用されています。
梅津福治郎氏の資料を始め、常陸太田市で出土した石器や土器、徳川光圀公(義公)の木像、そして、佐竹氏の系図や文献などが展示されています。
また、明治・大正・昭和に使われていた洗濯板やたらい、火鉢なども展示されていて、当時と今の生活の変化を知ることができます。散歩にあたって、会館の向かい側にある駐車場を利用することも可能です。
展示物1階
議会室として使われていた2階
子供向けに作成されている梅津新聞は、常陸太田市の歴史や文化財をわかりやすく教えてくれる上に、ぬりえや工作も楽しむことができます。
杉本坂
「杉本坂」は太田七坂の中で最も急な坂で、坂を下る途中右側には「遍照寺」があります。
杉本坂
西町の通りを進み「鯨ヶ丘ふれあい広場」に戻ります。散歩コースの全長は約1.3kmです。
■散歩で知る鯨ヶ丘商店街の季節
春、東の斜面に咲く桜。夏、辺りから響く蝉の音。秋、丘陵が色づく紅葉。そして、冬、霜で輝く広場の芝など。日本の四季を知り、肌で感じることは、お子さんの感性を育てます。
イベントや行事もその季節ならでは。鯨ヶ丘商店街で開催される行事に足を運んで、特別な散歩を楽しむのもおススメです。
3月頃の「鯨ヶ丘のひなまつり」は 商店街の各店舗に昔から伝わるひな飾りを展示しています。次に5月頃の「鯨ヶ丘端午の節句」は古くから伝わる武者人形を展示。そして、商店街には鯉のぼりがたなびきます。
「太田のヨマチ」は7月初旬に始まり「太田のだらだら祭り」とも呼ばれ、約1ヵ月間断続的に開催されます。8月中旬頃の「太田まつり」の初日は、神輿を中心にパレードが行われます。
鯨ヶ丘商店街を散歩していると「こんにちは」と児童があいさつをしてくることがあります。あいさつはコミュニケーションの基本。近年、親子の会話もままならない家庭が増えているようです。知らない人にもあいさつができる子どもが育つ常陸太田市。子どもたちのあいさつが響く鯨ヶ丘商店街。散歩の途中であいさつをしてくる児童に会ったら、ぜひ、あいさつのお返しをしてください。清々しい気分になれるはずです。