「かかりつけ医」にお尋ねしました第3回(全3回)

「かかりつけ医」にお尋ねしました
第3回 感染症を広げないために

木村 紀志 院長

寒さも少し和らぎ、春の訪れを感じられる日もありますが、朝晩の冷え込みはまだ続きそうです。
今回は、第1回でご紹介した風邪の予防と対策に続き、ウイルス性胃腸炎の予防と対策をお教えいただくとともに、新しい生活様式に基づく新型コロナウイルス感染症を広げないための心得をひたち太田家庭医療診療所の木村 紀志 院長にお伺いしました。全3回の第3回になります。

ウイルス性胃腸炎とは

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例年、冬から春先にかけて増加する傾向にあるウイルス性胃腸炎の多くはウイルスによるものですが、代表的な原因にノロウイルスやロタウイルスがあります。
感染経路は、ウイルスが口から体に入る経口感染です。例えばノロウイルスの場合は、牡蠣などの二枚貝を加熱不十分なまま食べると感染します。また、感染者の糞便や吐物に触れた手から直接、あるいは間接的にウイルスが口に入る場合もあります。
症状は、ウイルスによって多少異なりますが、下痢、腹痛、嘔吐、発熱などです。

予防法 清潔な環境づくり

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ウイルス性胃腸炎の予防法の基本は、手洗いです。帰宅後や食事前などには、石鹸で丁寧に手を洗い、ウイルスをよせつけないように心がけてください。
身の回りの消毒には、注意が必要です。特に、ノロウイルスはアルコールへの耐性が強く、アルコールでは十分にウイルスを除去できません。表示の通り適切に薄めた塩素系台所用漂白剤を使用してください。また、使用の際には十分に喚起をするようにしましょう。
特に小さなお子さんに感染の疑いがある場合は、ケアをする親御さんにうつる可能性が高くなります。そこで、お子さんが床に嘔吐した場合の対処方法を例に、手順を説明します。

1)使い捨てのエプロン、マスク、手袋を使用し、皮膚や衣服にウイルスが付着しないようにします。ごみ袋などの大きめなビニール袋で体を覆い、簡易防護服のようにするのも効果的です。また、ゴーグルをかけるとさらに感染の可能性を軽減することができるので、おすすめです。

2)ペーパータオル等で吐物を拭き取り、同じ場所を塩素系漂白剤で浸すように拭き取ります。その後、水拭きをします。ウイルスが飛び散った可能性がある場所も同様に、塩素系漂白剤での消毒と水拭きをしてください。

3)処理に使ったペーパータオルやエプロンなどは、すぐにビニール袋に入れウイルスが外に漏れないように密閉し、処分してください。

※ノロウイルスの消毒: ×アルコール 〇塩素系漂白剤

急な下痢や嘔吐などの症状があった場合は、ウイルス性胃腸炎の可能性があるかもしれません。早めに病院を受診してください。

いろいろな感染症を取り上げてきましたが、最後に、皆さんが今一番気になっているであろう新型コロナウイルス感染予防についてお話ししたいと思います。
新しい生活様式も定着してきていますが、生活環境の変化は、心身ともに負荷がかかります。子育て中の親御さんにとっては、お子さんの保育や教育環境などの心配もあるかもしれません。
ここでは、新しい生活様式に基づく、感染を広げないための方法を再確認するとともに、体を動かして気持ちをリフレッシュする例を紹介いたします。

感染を広げないために(新しい生活様式)

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感染予防対策として「マスク」、「手洗い・手指の消毒」、「加湿」をするのはもちろんですが、大切なことは、より多くの人がウイルスに感染しないよう心がけ、それを実行することです。つまり、各人がウイルスを「人からもらわない」、「人に渡さない」ように意識することが重要になるでしょう。飛沫感染を防ぐために、イベント会場など不特定多数の人と接する可能性が高い場所は避け、移動手段は自家用車、バイク、自転車などを利用しましょう。そして、相手との距離が近い位置での会話などは極力控え、会話をする場合には、相手と向き合わずに1m以上、可能であれば2m以上離れることが望ましいです。また、室内では閉鎖空間にならないよう、換気扇や換気口を利用し、風が吹き込む窓とその対角線上にある窓やドアを開け、空気の出入口を作るなどの工夫をし、十分な換気を心がけてください。

新しい生活様式での負荷を減らす(ストレス解消法)

感染の危険性がないように十分な安全対策がとれれば、スポーツなどで体を動かすことが可能になります。
例えば、野外で距離をとりながら、お子さんや他の仲間たちとサッカーのパス回しなどをしてみてはいかがでしょうか。それから、ウォーキングやランニングなど距離を取って行える個人スポーツは気軽に始められます。
自分たちの環境に適したリフレッシュの方法を考えて、アイデアを出しあってみても良いと思います。
現状では、感染のリスクを避けながらの生活になります。状況を理解し、その中で楽しいことを見つけて、上手にストレスを解消することがポイントになると思います。

[協力]
ひたち太田家庭医療診療所
〒313-0011 茨城県常陸太田市西宮町1876
TEL 0294-59-3340
HP:https://hitachiota-fc.com/doctor/
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