クリスマスケーキを手づくりしよう

今年のクリスマスは、新しい生活様式を取り入れて、ご自宅で過ごすご家庭も多いと思います。
そこで、今年はお子さんと一緒に手作りクリスマスケーキに挑戦してみてはいかがでしょうか。
鯨ヶ丘にある宝月堂のパティシエ猿田光洋(さるた みつひろ)さんに、ご家庭でできる、本格的なデコレーションケーキの作り方をお教えいただきました。
猿田さんは、当時小学生だった息子さんのバレンタインデーのお返しに、クッキー作りを手伝ったこともあったそうです。
クリスマスや誕生日に!
家庭で作れるデコレーションケーキ
材料
◇スポンジケーキ(パータ・ジェノワーズ)
直径15cm丸型1台
- 卵(L) 2個(正味120g)
- グラニュー糖 60g
- 小麦粉(薄力粉) 50g
- バター(マーガリンでも可) 15g
◇仕上げ用生クリーム(クレーム・シャンティイ)
- 生クリーム 300㎖
- グラニュー糖 30g
- バニラエッセンス 3滴
◇仕上げ用のフルーツ
- イチゴ 適量
- お好みのフルーツ
※じょうづるサンタ用【イチゴ1個、ブドウ(巨砲)2粒、パイナップル少量】
作り方
※掲載写真の一部に業務用ミキサー(泡立て器)を使用しておりますが、家庭用のハンドミキサーでも同様の仕上がりになります。
【01】クッキングシートを丸型より1cm程度高くなるように切って型の内側に巻きます。
左上・右上)型底の縁は焦げ付きやすいので、焼き上がったスポンジの焦げ付き防止のため、切り込みを入れて折り返します。
左下・右下)型のサイズに合わせて丸く切ったシートを底に敷きます。
ポイント
ケーキ用の丸型は、お手軽に用意していただけるよう、100円ショップで購入したものを使用しています。
【02】はじめにボウルに卵を割り入れ、ハンドミキサーで卵の白身と黄身が均一に混ざるまでほぐします。
次にバターを湯煎で溶かします。続いて、オーブンを180度に設定し予熱を開始します。
ポイント
湯煎の温度は70度以下です。次の【03】で生地の材料を温める際、温度が高いと固まってしまいます。沸騰させないようご注意ください。
【03】生地の材料を温めながら混ぜます。
左上)次にグラニュー糖を入れ、湯煎で約40度(人肌よりやや温かい程度)になるまで混ぜながら温めます。
右上)ボウルの側面に触れて温度を確認してください。厳密な温度を計る必要はありません。
左下)ハンドミキサーの「高速」でホイップし、全体がふんわりと泡立ったら「中速」に変更します。「中速」2~3分混ぜることで、よりきめ細かな泡に仕上がります。
右下)生地をボウルに垂らし、リボンのように立体的なかたちが残るくらいが目安です。
ポイント
卵を湯煎で40度(人肌よりやや温かい程度)に温めることで、ホイップする時間を短くできます。
【04】小麦粉と溶かしバターを合わせます
左上・右上)ふるいにかけた小麦粉を【03】に入れます。
左下)ヘラでさっくりと合わせ、ボウルを回しながら、底からすくい上げるように混ぜます。
右下)小麦粉と合わせた生地に溶かしバター加えます。バターのボウル(容器)に生地をおたま1杯分程度入れ、軽く混ぜてから生地のボウルに戻し、全体を混ぜます。
ポイント
ホイップした泡が減らないように、できるだけ短時間での作業を心がけてください。
【05】生地を型に入れオーブンで焼きます。
左)クッキングシートを敷いた焼き型に生地を入れます。余分な気泡を少なくするため、焼き型を5cm程の高さから作業台の上に1~2回落とします。
右)あらかじめ180度に熱したオーブンで30~35分を目安に焼きます。
ポイント
こんがりきつね色になるのが焼加減の目安です。また、スポンジの真ん中に竹串をさし、引きぬく際に生地が付いたら十分に焼けていません。焼き時間を1~2分ほど追加して調整してください。
【06】焼きあがったスポンジを、すぐに20cmぐらいの高さから作業台に落として膨張した空気を抜きます。
型から出して粗熱が取れたらふんわりとラップをし、スポンジの表面につやが出てくるまで室温で完全に冷まします。
ポイント
空気抜きはとても重要です。スポンジ内に空気がたまったまま冷えると中央が凹んだスポンジケーキになってしまいますのでご注意ください。
【07】ボウルに生クリーム、グラニュー糖、バニラエッセンスを入れてハンドミキサー「中速」で七分立て(クリーム状)にホイップします。
ホイッパーを持ち上げたときに、つのが立つイメージです。
※ホイップクリームを多めに作りたい方は、生クリーム400㎖ グラニュー糖40g バニラエッセンス4滴でホイップしてください。
【08】スポンジケーキを2枚にスライスします。
角材等を使い包丁がブレないようにすると、簡単に切り分けることができます。切り分けた上のスポンジを裏返し、断面を上向きにして使用します。
ポイント
焼き色の濃いスポンジの上面と下面を削ぎ落とすと、より柔らかい食感のスポンジになります。
【09】七分立てしたクリームの約半分弱を更に硬くホイップします。
硬さの目安は、泡だて器を持ち上げても、クリームが全く落ちてこない状態です。
このクリームをスポンジ間にイチゴと一緒にサンドします。またケーキの上面・側面にも塗ります。
ポイント
デコレーション用のクリームは7分立てで柔らかめ、サンド用やケーキの上面・側面に塗るクリームは硬めに仕上げます。硬いクリームをデコレーションすると滑らかに仕上がりません。反対に、7分立てのクリームをサンドや塗りに使うと、形が維持できず、溶け出してしまうおそれがあります。
【10】イチゴとクリームをサンドします。
左上)回転台や皿の上にスポンジをおきます。スポンジの縁に添って渦を描くように上面全体にクリームを絞ります。
右上)絞ったクリームの上に縦半分に切ったイチゴを均一になるようにのせ、隙間にクリームを絞ります。
左下)イチゴの上に中心から外側に向かって渦状にクリーム絞ります。
右下)スポンジを重ね、上から軽くおさえます。
ポイント
側面にクリームを塗らない場合は、スポンジからイチゴが少しはみ出すように並べると、より整ってみえます。また、絞り袋を握っている時間をできるだけ短くするように心がけてください。クリームが温まると分離してしまう場合もあるので、注意が必要です。
【11】スポンジの上面にクリームを塗る。
パレットナイフでスポンジの上面に生クリームを回転台や皿を廻しながら塗ります。
※ケーキ作りが初めての方や経験の少ない方は、この段階でデコレーションクリームとフルーツを上面に盛り付けて仕上げると簡単で時短にもなります。
【12】スポンジの側面にクリーム塗ります。
左上)回転台、または、ケーキ皿を回転させながら側面にクリームを塗ります。
右上)ケーキの縁がクリームで盛り上がるように塗ると、仕上がりがきれいになります。
左下)縁にある余分なクリームをパレットナイフで取り、平らにします。
右下)ナイフでクリームの表面を軽く叩き、模様を付ける方法もあります。表面が平らに仕上がらなかった場合におすすめです。
【13】フルーツとデコレーションクリームでトッピングします。
左上)スライスしたイチゴをケーキの側面に付けます。華やかさも増し、側面のクリームの仕上がりがよりよくみえます。
右上)上面にイチゴを並べ7分立てのクリームを絞り縁取りをします。
左下)任意の大きさにカットしたフルーツを自由にトッピングします。ぜひお子様と一緒に楽しんでください。
右下)オーナメントなどクリスマスの飾りを付けて完成です。
ポイント
右上の写真のように連続でクリームを絞りだすコツは、はじめに絞り袋を握りクリームを適量出します。次にそのままの状態で少しだけ手前に先端を引きます。更に続けて、クリームを絞ります。この手順を繰り返します。別の皿などを使い練習してみてください。
また、1つずつ垂直にクリームを絞る方法は、お子様でも簡単にできて楽しめると思います。
フルーツのトッピングとデコレーションを自由な発想で、ご家族みなさんで楽しんでください。
★「じょうづるサンタ」を作ります。
体とサンタ帽子はイチゴ。
頭と手がブドウ、くちばしはパイナップル。
そして、顔、ボタン襟は絞った生クリーム。
つぶらな瞳はチョコレートクリームで仕上げました。
また、手と帽子は爪楊枝で固定しています。
ポイント
「じょうづるサンタ」の顔や瞳に絞る生クリームとチョコクリームはクッキングシートを絞り袋として利用します。また、市販の色付きチョコペン(白・褐色)を利用することも可能です。
【14】お好みでクリスマスの飾り付けをして、完成です。
クリスマス、お子さんはもちろんですが、大人にとっても特別な日です。
お子さんと一緒にケーキを作り、思い出に残る素敵なひとときをお過ごしください。
宝月堂
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