子ども科学クラブ <実験・体験で楽しく学ぶ>

子ども科学クラブ <実験・体験で楽しく学ぶ>

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小学校の理科で行う自然観察や実験は、子どもたちが興味を持つ授業の一つです。
常陸太田市生涯学習センターでは、子どもたちが楽しみながら自然や科学と触れ合える「親子自然探索サークル」と「子ども科学クラブ」を開催しています。
「親子自然探索サークル」は、令和3年7月掲載号「教育者から見た子育て」で取り上げました。
今回は、「子ども科学クラブ」をご紹介いたします。クラブの実行委員長で、37年間、小・中学校の教師として、多くの子どもたちと接してこられた常陸太田市在住の宇野保雄先生に、クラブの活動内容とテクノロジーの発達やスマートフォンなどの普及に伴う、子どもたちと情報との関わりについてお伺いしました。

■子ども科学クラブ

〜子ども科学クラブの活動内容と目的はどのようなものですか?〜

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「子ども科学クラブ」は、小学3年生以上の児童を対象に、生涯学習センターで5月〜2月の毎月第4土曜日に開催しています。学校の理科の授業での知識を更に深めながら、学校とは違った手法の実験などを通して科学を楽しく学習します。
今年度の活動内容は、自分たちの生活に欠かせない「水」や「空気」の実験を始め、「磁石」を使った、世界一簡単なモーター作りなどを行いました。こうした、さまざまな実験を通して、科学の楽しさを知り、自分たちが生活している世界には不思議が沢山あることに気づいてもらえればと思います。

■異なる学年の子どもたちが交流できる「縦割り班」

〜「子ども科学クラブ」の活動は、どのように行われていますか?〜

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小学校の理科の授業で行う実験は、学年ごとにクラス単位ですが、「子ども科学クラブ」では、市内の小学校から集まった3〜6年生の6人程度で構成された、いわゆる、「縦割り班」で活動します。上級生は、下級生の手助けやアドバイスを行いますし、下級生は、上級生を頼りにするので、兄弟のように仲良く実験に取り組んでいます。
また、各班には、担当の講師のほか、活動をサポートする高校生ボランティアも参加するので、子どもたちは、高校生のお兄さん、お姉さんと一緒に活動を楽しんでいます。このように、幅広い年齢の子どもたちが互いにコミュニケーションを取りながら、協力して実験などを行うことで、協調性も身につけられると思います。

■テクノロジーの発達と子どもたちの好奇心

〜スマートフォンなどの普及によって、子どもたちが変わってきたと思うことはありますか?〜

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個人的な感想になりますが、今の子どもたちは、非常に好奇心が旺盛ですね。そして、新しい物(製品・商品)を手にすると、感覚的に覚えて、順応力が高い印象があります。
子どもたちの好奇心が強くなった理由は、いつでも興味を持ったことをインターネットで調べられるパソコンをはじめ、スマートフォンやタブレットなどのIT端末の普及も大きいと思います。私が教師をしていた頃の子どもたちは、何かを調べるとなると、図書館へ出向いたり、誰かに聞いたりしなければなりませんでしたから。やはり、手軽に知識欲(好奇心)を満たすことができるIT端末の普及の影響は大きいでしょう。そして、この強い好奇心は、新しい物にも向けられるので、順応力も自然に高くなるように思います。ここ1、2年リモート授業など新しい試みが学校で行われていますが、教師よりも子どもたちの方が違和感無く順応できているように感じます。

■情報の見極めと取捨選択

〜IT端末で簡単に情報を入手できる現代の子どもたちにとって、大切なことは何でしょうか?〜

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多くの子どもたちが、知りたいこと、興味や関心を持ったことを調べるために、IT端末を使いこなしていますが、インターネットの情報は「真理」ばかりではありません。間違った情報や誇張されていることもあります。インターネットの情報に対して「これは、正しいのか?これは、必要なことなのか?」と疑問に思い、確かめ、見極める。そして、情報の取捨選択が必要です。これを言葉だけで説明しても、子どもたちは、しっかりとは理解していないように感じます。
大切なことは、「良い・悪い」ではなく、自分に必要な情報は「どの部分なのか、それ以外をどう解釈するべきなのか」です。物事を見極め、必要な情報を取捨選択する能力は、見て、触れて、感じる「実体験」を少しずつ積み上げることで身についていくと思います。「子ども科学クラブ」で行う活動が、必要な情報を正しく扱う「実体験」の一つになればと思います。
また、ご家庭でも保護者の方がお子さんと一緒に色々な体験をすることも大切ですね。同じ体験でも、テレビゲームを与えて「ほら、体験して」ではありません。例えば、仮にゲームの中に出てくる何かがあったら、それをお子さんと一緒に工夫して「作ってみる」とか、場所であれば「何処か確かめてみる」というような体験を繰り返すことで、物事を見極め、情報を取捨選択する感覚が養われていくと考えます。
「子ども科学クラブ」は物理や化学分野を中心に活動していますが、常陸太田市生涯学習センターには、「親子自然探索サークル」の活動もあり、「生物」「地学」「歴史・文化」を学習できます。このような多くの体験をすることで、きっと、子どもたちは、知らず知らずのうちに、自分の周りの必要・不要なことの判断ができるようになると思います。

これまでも、「子ども科学クラブ」では、実験などで科学に関する知識や考え方を子どもたちに身につけてもらえるように活動してきました。今後も、子どもたちがより生き生きと楽しめる内容にするために、工夫を凝らした活動を行いたいと思います。

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「子ども科学クラブ」は、子どもたちが予想をたて(仮説)、どうなるか実際に試し(実践)、結果を確かめる(検証)という実験を通して、楽しみながら、自然界の不思議や物事の考え方を学べます。
これからもテクノロジーは発達し続けますが、どんなに技術が進んでも宇野先生のお話のように「実体験」による学びは、子どもたちの教育、そして、子育てにおいては、普遍的で有り続けるでしょう。

※令和4年度の「子ども科学クラブ」、「親子自然探索サークル」の参加者募集は、5月頃に行う予定です。詳しくは、お問合せください。

[取材協力]
常陸太田市生涯学習センター
住所:〒313-0061 常陸太田市中城町3280
電話:0294-72-8888
開館時間:9:00~22:00
休館日:月曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
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