子どもと一緒にホウキで大掃除

◇河合の箒（かわいのほうき）

ホウキには、主に校庭や自宅の庭などの屋外を掃く竹ボウキから、棚や机の上などのゴミを集める小さなホウキまで、用途に応じて様々な種類があります。
常陸太田市には昭和期に盛んに生産された「河合の箒」というホウキがあります。イネ科の植物「ホウキモロコシ」を材料とし、畳や床を掃く座敷ホウキです。

「とにかくよく掃けます」
「ホウキモロコシ」をはじめ、「娘来たか（小豆）」、「里川かぼちゃ（令和3年10月掲載）」などの在来種（常陸太田市に古くからある品種）を引き継ぎ、日々の営み（日常生活）に生かす活動を行っている団体「種継人の会」代表、布施大樹さんにお話を伺いました。
「河合の箒」の特徴を「とにかくよく掃けます。」と布施さんは評します。また、「ホウキモロコシ」で製作したホウキには輸入品などもありますが、それと比べ「河合の箒」は、穂先の密度が濃いそうです。畳の上はもとより、床の継ぎ目や隙間のホコリもよくかき出せると、布施さんはおっしゃっていました。
「河合の箒」は、鯨ヶ丘商店街の「くじら屋」で取り扱っています。また、ホウキ作りの継承活動をしている方々が製作した大小さまざまなホウキもございます。詳しくは、お問合せください。

・「くじら屋」店内のホウキ

◇ホウキを使おう

「河合の箒」に限らず、ホウキを使う利点は、「好きなときに掃除ができる」ことです。布施さんもおっしゃっていましたが、例えば、早朝や深夜でも音の静かなホウキは、近所や隣の部屋のことなどを気にせずに使えます。また、掃除機のような大きな音が出ないので、お子さんが寝ているときでも手早く掃除ができます。
掃除機はゴミを吸引する際、排気でホコリを巻き上げますが、ホウキは、丁寧に掃くことや、湿らせた新聞紙をちぎって床に撒いてから掃くと、余計なホコリを立てずに掃除ができます。小さなお子さんがいるご家庭に、ホウキは便利な掃除用具ではないでしょうか。そして、電気代もかかりません。

また、ホウキの穂先には弾力があるので、掃除機よりもフローリングの床などに傷をつけずにゴミを集めることができます。
大掃除の目的の1つは、普段手の行き届かない場所の掃除です。軽くて扱いやすいホウキは、家具の隙間など狭い場所にも届くので便利に活用できます。
そして、ホウキは部屋の隅々から集めたゴミやホコリの量を目で確認することができるので、大掃除に限らず、ご自宅がきれいになったことをお子さんと一緒に実感できるのではないでしょうか。

◇ホウキと掃除機、雑巾も使おう

学校では、ホウキで集めたゴミをちりとりに掃き入れますが、この作業を煩わしく感じる方もいるのではないでしょうか。そこで、ご家庭では、ホウキで集めたゴミを掃除機で吸い取ると効率的です。特にハンディクリーナーなど小型掃除機を使うと、より手軽にゴミを片付けられます。ホウキの特徴、「静かさ」が損なわれる場合もありますので、環境に応じてご活用ください。
ホウキでの掃除を済ませた床などは雑巾で拭きましょう。雑巾は学校とご家庭、どちらの掃除にも使われていますが、上手に絞れない子もいるのではないでしょうか。そこで、効率の良い雑巾の絞り方「縦絞り」を紹介いたします。 雑巾を体と垂直になるように縦にして、片手で上の方を「逆手」で持ち、もう片方の手は下の方を「順手」で持ちます。ちょうど、野球のバットや剣道の竹刀を握るようなイメージです。そして、両手首を内側に向けて絞ります。「縦絞り」は少ない力で雑巾の水を多く絞ることができます。

・「縦絞り」左手が逆手、右手が順手

掃除の仕上げに雑巾を使うことで、細かなホコリや床表面の汚れも拭き取れます。

大掃除の由来は、新年を司る「年神様」をお迎えするための「煤払い」にあります。お子さんが使い慣れた掃除用具で一緒に楽しく大掃除をして、清々しい気持ちで新年をお迎えください。