親子で作って食べよう「月見団子」

親子で作って食べよう「月見団子」

子どもたちの新学期が始まる9月、夕方にはヒグラシが鳴き、日が落ちるとコオロギやキリギリスなど虫の音が聞こえてきます。水田の稲穂が黄色に色づき、お米の収穫は間もなく最盛期。農作物の恵みが多い秋、収穫の感謝と豊作の願いを込めて、お子さんと一緒に「お月見」をしましょう。

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〇お月見

2021年の「中秋の名月・十五夜」は、9月21日(火)です。
お月見は旧暦(月の満ち欠けに基づく太陰太陽暦)の8月15日にお供え物をして月を鑑賞する風習で、平安時代に中国から伝わったとされています。
人々の暮らしに今よりも深くかかわっていた月。先人たちは、作物の種まきや収穫などのタイミングを月の満ち欠けで判断していました。月は、どこからでも見える便利なカレンダーだったのです。
農作物の収穫時期、秋の月に感謝を込めて、お供え物をする「お月見」。お子さんと一緒に「お月様、おいしい食べ物をありがとう」と思いを届けてみてください。

〇月見団子をつくろう

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お月見といえば「月見団子」、丸い団子を月に見立ててお供えします。
今回は、家庭で手軽に作れる月見団子を常陸太田市和田町「玉喜屋本店」のご主人、岩間孝洋さんに教えていただきました。

材料

・米粉 200g
・ぬるま湯(40~60℃) 150cc

「月見団子」の材料は、米粉とぬるま湯の2つだけ、とてもシンプルです。
団子粉や白玉粉でも、「月見団子」のような団子はつくれます。ただし、中秋の名月・十五夜は、主に稲の豊作と収穫を願う行事なので、米100%の粉で作るのが伝統的だそうです。

【01】生地を作る

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  • 米粉にぬるま湯を適量入れ、ゴムベラやしゃもじなどで混ぜあわせます。
  • ある程度混ざったら、手を使い練り合わせ、1つにまとめて生地にします。

ポイント

ぬるま湯は、一度に全部を入れずに米粉との混ざり具合を確認しながら、2~3回に分けて加えます。

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  • 1つにまとまった団子の生地を丸め、棒状に伸ばします。

ポイント

生地の硬さは「耳たぶ」の感触が目安です。こねている時に生地が手につき残ってしまうようならば、粉を足してください。また、「ぼそぼそ」として粉がまとまらなければ、水を適量加えてください。岩間さんが「米粉の状態によって、混ぜる水の量は変わります」とおっしゃっていました。「米粉200g」と「ぬるま湯150cc」はあくまでも目安です。米粉自体に含まれる水分によって、加えるぬるま湯の量を調整してください。

【02】生地を小分けにして丸める

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  • 30g程度に生地をちぎります。
  • 手のひらで丸めて形を整えます。

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  • お子さんと一緒に楽しみながら丸めてください。

※団子1つの大きさはピンポン球程度です。団子の数と大きさは、お好みで調整してください。

【03】団子をゆでる

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写真左上)約2ℓの沸騰したお湯に団子を入れます。
写真右上)火加減は、強めの中火。ゆで時間は15分程度で、熱が通ると団子が少し浮き上がるようになります。
写真左下)ゆであがった団子はお玉ですくい上げ、鍋の縁を使いお湯を切ります。
写真右下)氷水に入れ粗熱を取ります。団子を冷やす時間は2~3分です。

ポイント

団子を鍋に入れる際お湯が飛び散らないように、鍋の縁をつかって丁寧に入れてください。お湯の中で団子同士がつくことはありませんが、菜箸でゆっくり動かし、数分おきに状態を確認しましょう。
もし、団子のゆで加減が心配な場合は、少し長めにしてください。「長くゆでても味や食感の変化は、ほとんどありません」と岩間さんからアドバイスをいただきました。

【04】団子の水分を拭き取る

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  • 清潔な「さらし」や「ふきん」などで団子の水分とぬめりを拭き取り、皿に盛り付けます。

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団子の表面に水分が多いと滑ってしまい、うまく積み重ねられません。

【05】完成です

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〇お供え物

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お月見のお供えは、団子のほかに「ススキ」や収穫した「農作物」があります。
ススキは、稲穂と形が似ていることから豊作を祈願し、供えるようになったとされています。さらに、ススキの葉の縁は鋭く、鉤状になっているため「魔除け」の意味もあるようです。
農作物のお供えは、主に里芋やさつまいもなどで、中秋の名月・十五夜が「芋名月」とも呼ばれる由来です。収穫の感謝と今後の豊作の願いを込めて供えます。

〇お供え物をいただきましょう

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お供え物は、体に取り入れることにより、健康や幸せになれると考えられています。里芋やさつまいもは、あらかじめ調理したものもお供えをして、お子さんと一緒に月の鑑賞後にいただきましょう。

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お月見の団子は「その日のうちに食べるのが一番おいしい」と岩間さん。「あんこ」、「みたらし」、「砂糖醤油」など味付けはお好みで。岩間さんのおすすめは「バター醤油」です。「フライパンにバターをひいて団子を潰して焼き、そこに醤油をかけます」と、ひと味違った食べ方をご提案いただきました。

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収穫の感謝と豊作を祈願する「お月見」。お子さんと一緒に月を眺め、お供え物をいただくことで、食べ物のありがたさを実感する機会にしてみてはいかがでしょうか。

[協力]
玉喜屋本店
〒313-0223 常陸太田市和田町1600-1
電話:0294-85-0106
営業時間:8:00~18:30
定休日:毎週木曜日
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